2025年8月19日に開催されたAWS デジタル社会実現ツアー 2025 名古屋で、チャット型医薬品相談ツールを発表した経験と学びについて
2025年8月19日、AWSジャパン主催の「AWS デジタル社会実現ツアー 2025 名古屋」に参加し、開発中のチャット型医薬品相談ツールを発表する機会をいただきました。この記事では、参加の経緯、発表内容、そして得られた学びについて振り返ります。
私が外部の技術イベントに初めて登壇した大会が、このAWS デジタル社会実現ツアーでした。当時はChatGPT APIを用いた簡易のチャット型医薬品相談ツールを構築し、医薬品相談における柔軟な応答を実現していました。一方で、審査員や参加者から医薬品相談においてハルシネーション(幻覚)のリスクが拭い切れないという指摘を受け、そのことをきっかけにルールベースのスコアリングシステムを考案しました。以降の大会や開発では、このスコアリングを中核に据え、安全性を高めたうえで実装を進めています。AWSでの様々な出会いとフィードバックが刺激となり、今の私や本アプリケーションの方向性につながっていると言えます。
AWS デジタル社会実現ツアーは、AWSを活用した社会課題解決の取り組みを発表するイベントです。名古屋会場では、地域の学生やエンジニアが集まり、それぞれのプロジェクトを紹介しました。
私がこのイベントに参加した理由は、開発中のチャット型医薬品相談ツールが「デジタル社会の実現」というテーマに合致していると考えたからです。特に、以下の点が評価されました:
名古屋会場で、地域の学生やエンジニア、審査員の前で発表しました。当時は初めての外部登壇であり、ChatGPT APIを用いた簡易のチャット型医薬品相談ツールをデモしながら、ドラッグストアでの現場経験と過疎地・高齢者・外国人の医薬品アクセス課題、そして技術でどう支援できるかを説明しました。
「医療分野でAIを使う際、安全性をどう担保しているか?」
当時はLLMの応答をそのまま相談回答に使う部分が多く、審査員から医薬品相談におけるハルシネーション(幻覚)のリスクが拭い切れないと指摘されました。この指摘をきっかけに、最終的な医薬品選択はルールベースのスコアリングに委ね、LLMは症状抽出(NLU)や質問生成などに限定するハイブリッド推奨へ設計を変更しました。
「クラウドやインフラはどうしているか?」
当時はRender等を想定した構成でした。その後の開発で、コストとレスポンス改善のためGCP Cloud Run・Neon PostgreSQLへの移行を実施しています。
「実用性はあるか?」
ドラッグストア(マツモトキヨシ)でのアルバイト経験に基づく課題定義と、実際に動くデモを見ていただくことで、理論だけでなく実践的な価値があると評価していただけました。
「大規模言語モデルを用いた安全で最適な市販薬提案チャットツール」として、以下の点を中心に発表し、その後も継続して拡張しています:
開発の背景
技術的な特徴
クラウドインフラの運用
発表後、多くの参加者から質問やフィードバックをいただきました。特に印象的だったのは:
他の参加者の発表を聞いて感じたのは、社会課題を明確に定義することの重要性です。技術的な実装だけでなく、「なぜこの課題を解決する必要があるのか」「誰が困っているのか」を具体的に示すことで、プロジェクトの価値がより伝わりやすくなります。
私の発表でも、ドラッグストアでの具体的なエピソードや、過疎地での医薬品アクセスの課題を紹介したことで、多くの方に共感していただけたと感じています。
AWSのようなクラウド技術は、単なる技術的なツールではなく、社会課題を解決するための手段であることを再認識しました。クラウドインフラの選定や運用においても、「なぜこの技術を選んだのか」「どのように社会課題の解決に貢献するのか」を常に意識することが重要です。
イベントを通じて、名古屋地域のエンジニアや学生の方々とつながることができました。同じ地域で活動する仲間がいることで、モチベーションも高まり、今後の開発にも良い影響を与えてくれています。
このイベントに参加して、改めて感じたのは、「システムを誤らせない設計」の重要性を多くの方に理解していただけたことです。
医療分野でAIを活用する際には、技術的な高度さだけでなく、安全性と正確性が何よりも重要です。LLMに判断を丸投げするのではなく、ルールベースの制約を組み合わせることで、再現性と安全性を担保する設計を説明した際、多くの方が「なるほど」と納得してくださったのが印象的でした。
また、クラウド移行の経験についても、単なる技術的な移行ではなく、「なぜ移行が必要だったのか」「どのような判断基準で選定したのか」を説明することで、より深い理解を得ていただけたと感じています。
このイベントでの経験を踏まえ、今後も以下の点を意識して開発を進めていきたいと考えています:
AWS デジタル社会実現ツアーでの経験は、私にとって非常に貴重な学びの機会となりました。今後も、社会課題の解決に貢献できるエンジニアとして、技術と社会の接続を意識しながら開発を続けていきたいと思います。
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