名古屋大学理学部物理学科2年生として、統計力学や情報理論の知識を活用し、より精密な医薬品推奨アルゴリズムの開発に取り組む視点について
名古屋大学理学部物理学科2年生として、統計力学や情報理論の知識を活用し、より精密な医薬品推奨アルゴリズムの開発に取り組んでいます。この記事では、物理学的思考をどのようにアルゴリズム開発に応用しているか(および今後の展望)について解説します。
本記事の位置づけ: medicine-recommend-system のREADMEでは、2026年の抱負として「統計力学や情報理論の知識を医薬品推奨アルゴリズムに活用する」「熱力学のエントロピー概念でシステムの効率性・安定性を追求する」が挙げられています。現在の本番のスコアリングは、効能特異性・症状適合度・ボーナス/ペナルティ・二段階スコアリングなど、ルールベースで実装されています(ハイブリッド推奨・パフォーマンス最適化を参照)。以下で述べる統計力学・情報理論・エントロピーに基づくモデル化は、概念的な説明と今後の拡張の方向性として記載しています。
物理学科を選んだ理由は、自然現象の根本的な理解への興味からです。統計力学や量子力学を通じて、ミクロな世界とマクロな世界の関係を理解したいと考えました。
物理学は、数学的思考を習得するのに最適な分野です。微分方程式、線形代数、確率論など、エンジニアリングにも応用できる数学的スキルを身につけることができます。
物理学の問題解決プロセスは、エンジニアリングにも応用できます。仮説の立て方、実験の設計、データの分析など、エンジニアリングに必要なスキルを学ぶことができます。
統計力学の知識を活用し、症状の確率分布をモデル化しています。
# 症状の確率分布をモデル化
def calculate_symptom_probability(symptoms, user_info):
"""
統計力学の概念を応用した症状の確率計算
症状の出現を確率過程としてモデル化し、
ボルツマン分布のような確率分布を仮定
"""
# 症状のエネルギー(重要度)を計算
symptom_energies = {}
for symptom in symptoms:
energy = calculate_symptom_energy(symptom, user_info)
symptom_energies[symptom] = energy
# ボルツマン分布に基づく確率計算
total_energy = sum(symptom_energies.values())
probabilities = {}
for symptom, energy in symptom_energies.items():
# ボルツマン因子: exp(-E/kT)
boltzmann_factor = math.exp(-energy / total_energy)
probabilities[symptom] = boltzmann_factor
# 正規化
normalization = sum(probabilities.values())
for symptom in probabilities:
probabilities[symptom] /= normalization
return probabilities
情報理論の知識を活用し、症状の情報量を計算しています。
# 情報理論の応用: 症状の情報量を計算
def calculate_symptom_information(symptoms):
"""
シャノンエントロピーを応用した症状の情報量計算
症状の多様性を情報量として定量化し、
推奨の不確実性を評価
"""
# 症状の出現頻度を計算
symptom_counts = {}
for symptom in symptoms:
symptom_counts[symptom] = symptom_counts.get(symptom, 0) + 1
# シャノンエントロピーを計算
total_count = len(symptoms)
entropy = 0.0
for count in symptom_counts.values():
probability = count / total_count
if probability > 0:
entropy -= probability * math.log2(probability)
# 情報量として返す
return entropy
熱力学のエントロピー概念を応用し、システムの効率性と安定性を追求しています。
# エントロピー概念の応用: システムの効率性を評価
def calculate_system_efficiency(recommendations):
"""
エントロピー概念を応用したシステム効率の評価
推奨の多様性(エントロピー)を計算し、
システムの効率性を評価
"""
# 推奨医薬品の分布を計算
medicine_distribution = {}
for rec in recommendations:
medicine_type = rec.get('medicine_type', 'unknown')
medicine_distribution[medicine_type] = medicine_distribution.get(medicine_type, 0) + 1
# エントロピーを計算
total = len(recommendations)
entropy = 0.0
for count in medicine_distribution.values():
probability = count / total
if probability > 0:
entropy -= probability * math.log2(probability)
# エントロピーが高いほど、システムの多様性が高い
return entropy
物理学の問題解決アプローチは、エンジニアリングにも応用できます:
物理学で学んだ数学的モデリングのスキルを、アルゴリズム開発に応用しています:
物理学で学んだシステム思考を、システム設計に応用しています:
物理学科で学んだ理論を、実際のシステム開発に応用することで、理論と実践の融合を実現しています。
物理学科とエンジニアリングの両方の視点を持つことで、多角的な問題解決が可能になりました。
物理学科での学習と並行して、エンジニアリングのスキルを身につけることで、継続的な学習の習慣が身につきました。
現在の本番では、ルールベースのスコア(base_score・adjustment_score・効能特異性・症状特異性ペナルティ・総合感冒薬ボーナス等)が src/core/recommendation/ 配下のモジュール(final_score_calculator.py、candidate_scoring.py、rule_based_recommendation.py 等)で計算されています。物理学的な「確率分布・エントロピー」の形式的な導入は、READMEの抱負どおり今後の拡張テーマとして、既存ルールとの整合性を保ちながら検討していく予定です。開発の軌跡と学びでも、時期別の設計意図と物理学的思考の応用について触れています。
物理学科としての知識を、エンジニアリングに応用することで、より精密なアルゴリズムの開発が可能になると考えています。現在はルールベースのスコアリングを基盤としつつ、統計力学・情報理論の考え方は設計の視点(モデル化・境界条件の明確化・効率性の評価)として活かしてきました。READMEの2026年抱負に沿って、症状の確率分布やエントロピーを形式的に取り入れる拡張も検討しています。
今後も、物理学的思考を活かしながら、より良いシステムの構築を目指していきます。
「理論と実践の融合」 - この信念を胸に、今後も開発を続けていきます。